kitsunetohitoの日記

日々の不条理を漫然と見つめる、そんな男の苦楽

5歳の時、何歌ってた?

前回のブログ で、
「まぁ人前でギターを演奏したりバンド組んだりすることなんてなかろうよ当分は。」
などとボヤいていたが、早くもそれに黄色信号が灯ることになった。

kitsunetohito.hatenablog.com


 

 

事の発端は、珍しく兄貴に誘われ飲みに行った時のことだ。

このブログではもう2回登場している男だが、改めて紹介すると、

顔と性格と頭の良さだけは高スペックな男である。ちなみに一児のパパ。

 

そんなイケメンが何で俺みたいなウスラトンカチを誘ったのかと聞くと、

 

「いや、会社の飲みを断りたくってさぁ」

 

苦労人である。
きっと社会人になってから彼の若ハゲが急速化したのも

その性格の良さに起因するのだろう。じゃんじゃん誘ってくれ。暇だから。

 

 

お互いの住まいに近い駅で合流、そのまま近くの飲み屋へ。

兄貴は生中、俺はレモンサワー。名物のスペアリブに舌鼓を打つ。

 

年が離れていることもあり、ケンカも殆ど無ければ兄弟らしいエピソードも

あまり無かったことを思い出す。
ましてや社会人になってからは更に交流を持つ機会も無くなっていた。

が、話してみるとやっぱり気が合うことは多かった。
学生時代に深夜ラジオにハマっていたことや、邦楽ロックに傾倒していたこと、
お互いの苦労人エピソードに華を咲かせたり、等々。

 

中でも「やっぱり無趣味は健康に悪い」談義で、

俺がギターを練習するようになった事を話すと異様に食いついてくる。
聞くとこの男も、学生時代はゲームセンターのドラムマニアギターフリークス

熱を入れ上げてたそうで、実際にドラムとギターに手を伸ばした過去があるとのこと。

 

そして案の定ギターは押入れに眠っているという。

 

 

酔いも大分回ってきたのか、

「いいねぇギター、ギターいいね、ちょっと聞いてみたいなぁ!

などと、しきりにそんなことを言い出す。

 

 

俺「いや、まだそんな人に聞かせるレベルじゃないんだよ」

照れもあって、ついこの間のリペアショップでの羞恥プレイを話すも、

 

兄「そこ知ってる! そこの地下にスタジオあるんだよ、今度行こう今度!

何だったらギター教えてよ!

 

なんと大学時代、仲間と連れ立ってよく行っていたらしい。ますます食いつく始末。

 

 

兄「そうだ、今度一緒に嫁と娘もつれて来るからさぁ

7月の土日のどっかで!」

 

 

何だそりゃ? 嫁と娘? 発表会?

 

曰く、奥さんは奥さんでピアノを嗜んでいたらしく、

兄の付き合いでX JAPANの曲を演奏する際キーボードを担当していたという。
そんなこと一言も聞いてないぞ兄貴よ。しかもX JAPANって。それでいいのか奥さん。
まぁ奥さんの事はまだ分かるが、娘(俺にとって姪っ子にあたる)は一体何なんだ? ToshIでも担当するのか?


そう問おうとした時、はたと頭の中にある光景がよぎる。回想シーン。

 

 

 


先日も我が家に兄貴とその奥さん、姪っ子を連れて遊びに来る。

父と母は孫のわんぱくぶりに大喜び。

俺は俺で、退職に伴い実家に戻ってからは姪っ子との遭遇率も跳ね上がり、

今ではべったり懐かれるようになった。
我先に食事を終らせるや否や、まだ食事中の俺を魚釣りゲームに

強引に誘い込むくらいに。

 

そしてこの姪っ子、めっぽう『お歌』が好きなようで、

事あるごとに意気揚々とオンステージ。
そこでプリキュアやらドラえもんやらを歌っていれば良いものを、祖父母の前で、

 

 

「♪あーまく うれた かーじつの よーだねー」

 

 

 

 


再び飲み屋。

 

俺「……フジファブリックか」

「大正解!」

 

 

本当はYouTubeのを貼りたかったけど、権利関係上ダメだった。

 


聞けば、よく娘の子守唄フジファブリックの曲などを歌って寝付かせているという。

将来有望な子である。実際いい曲ばかりだからね。
勿論、祖父母は彼女が歌う『パッションフルーツ』を知らない。

 


ギターを買ったきっかけについて、アベフトシ志村正彦のことを言ったのが

マズかったか? こうなると、もはやとどまる所を知らない。俺も酔いが回ってきた。

 

 

俺「いや、俺バンド組んだこと無いし、セッションとかはまだ」

兄「だいじょーぶ、だいじょーぶ、9割方家族サービスでその後メシとか

飲みに行くのが目的だし!休日だから外に連れ出してあげないと

ウルサイわけよ!

 

 

家族サービスまで持ち出してきやがったよ、この男!

こうなると無職独身は立場が無い。

 

 

が、

 

 

俺「いやぁ、でも、アレだよ。実家暮らしで求職中の手前、ギターケースなんぞ抱えて

フラフラしていたら、ほら、両親にもあんまり快く思われないからさぁ、

ね、就活にメドが付いたらにしましょうよ! ね!

 

 

 

なんとか丸め込み、一旦飲み屋を後にする。

その後カラオケに連れ込まれ、兄貴は椎名林檎聖飢魔Ⅱを熱唱。
俺はこれ以上兄貴の琴線に触れないよう、村下孝蔵井上陽水を熱唱。

兄貴泥酔、俺朦朧

 

 

 

「じゃ~また近い内! ギターの件よろしくねぇ~!」

 

 

 

フラフラになって帰路へ。

参ったなぁ、次の人前でのお披露目は木枯らしが吹く頃かと思ってたのになぁ。
まぁ、のらりくらりと躱せるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

7月の2週目の土日について、

 

奇遇なことに両親はその日、山中湖・花の都公園に観光で1泊2日。一方俺はお留守番

 

 

そして今日(夜が明けたら)、また兄嫁一行が来訪するという。

これは母の誕生日を祝い来るだけ。


だが、恐らく母はその事を喋るだろう、俺がフリーなことを。

 

 

 

 

 

 

バレたな、こりゃ。

 

 

 

 

 


……奥さんと姪っ子の事は酔いもあっての冗談かもしれないが、
観念してフジファブリックのバンドスコアを漁り、

姪っ子のフェイバリット『陽炎』のコピーを開始。

 

 

いやぁ、目標があると練習って捗りますね、ホント。

 

 

 

パッション・フルーツ

パッション・フルーツ

 

 

タイトルだけど、俺は5歳くらいの時に夜ごと兄貴の部屋のステレオから漏れてくる

電気グルーヴの『Shangri-La』を子守唄代わりに聞いてた覚えがある。

 

で、幼稚園で歌ってた。いやホント。

 

僕はいつもギター中年 パート2

その頃の俺は金なんか無かった。

 

いつもボロボロの服を着て、いつも腹を空かせて、
いつも路上で靴磨きをしては僅かな金をもらう、そんな毎日を送っていた。


そして仕事の帰り道には、

決まって街の楽器屋のショーウィンドウに鼻っ柱をべったりくっつけながら、
ガラスの向こうに鎮座するエフェクターの数々を憧れの眼差しで眺めていた。

これだけが毎日の楽しみだった。


楽器屋の店主はそんな俺を見つけると、先が黒ずんだハタキを持って

俺の顔を叩きつけながらショーウィンドウの掃除を始めたものだ。


追い払われて帰路、重たい道具箱を抱えて夕焼けを背にトボトボと歩きながら、


「いつか俺もあのエフェクターを手に入れて、

いつかあの人とあのステージで最高のサウンドをかき鳴らすんだ……」


いつも、そんな風に心に誓っていたのだった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、金田一です。

開始早々申し訳ありませんけど「あの人」って誰? あと「あのステージ」って?

 

 

 

 

 

 

回の続きを書いてもいいですかね?

 

 

 

 

 

 

 

架空の俺「どうぞ」

 

 

 

 

 

 


前回のあらすじ
アンプもそこそこ高い。

 

いやね、ほんとは前回アンプを買うか否かを書こうとしたんですよ。
ほら、ギターをメンテナンスに出した回でそこの店長さんに

「アンプ使って練習しなさい」

と言われたアレのことである。

kitsunetohito.hatenablog.com

 


んで、早速楽器屋に行く。その道中、
「ついでにエフェクターの一つでも買ってギターへのモチベーションを上げるかな~」

なんて考えてたら、そうは問屋が卸さない。

前回のamazonのリンクをクリックしてごらんなさい。その理由が分かります。

 

 

 

 

何で高いんだろうエフェクター
他にもタバコのケースより小っちゃいサイズなのに1万2万とかザラだったもの。

中古ですら値段は張る。
なんなら目当てのミニアンプより高いもん(アンプはアンプでピンきりあるけどね)。
そりゃあ楽器屋のショーウィンドウに鼻っ柱をべったりくっつけながら

その表示金額に愕然としますわ。アンプそっちのけで。

 

 

傷心の後、ハタキが飛んでくる前に退散。

 

 

 


収入が無い俺は悩んだ。
アンプも買いたいしエフェクターも買いたい、だが10000円以内に予算を

抑えるにはどうすればいい? 中古ですら高いのに


一方、金田一も悩んでいた。
俺のスーツは一体どこにあるんだ?

 

 

お互い捜査に行き詰まりが生じる。
しかしすぐに妙案が下りてきた。収入が無い俺の方に。そうか、オークションだ

 

すぐさまオークションサイトの検索ワードの『スーツ~』を消し、

エフェクター』に直してEnterキー。

 


スーツ? 知らん! 迷宮入りじゃい!

 

というか金田一って誰だ!?

 

 

 


検索をかけてみると、あるわあるわ、


「1円スタート!~」

「完動品~」

「中古~」

「ジャンク品~」


目当てのシロモノが多種多様にある。定番のブランドから聞いたことのないモノまで。

 

安値のモノを手当たり次第に入札。お、この小型のもいいな。

あ、ワウペダルだ。俺にはまだ早いかな?
何だこのメガネ? え、これ「エフェクター」って名前なの?
ていうか宮川大輔が掛けてるやつじゃん。

 


大体が落札まで3~7日かかる設定なので、一旦待機。

これで俺もavengers in sci-fi(そういうバンド)になれるのかぁ。いいなぁ。

 

 

 

 

 


……オークションをよく利用したことがある方はご存じとは思われるが、

人気商品は大方落札の数時間前から入札ラッシュが始まる。
そして落札10分前には、当初入札した金額からは程遠い高値がつくのが定番の流れだ。

 

俺はそれを最近知った

ほとんどが店頭価格よりちょっと安くなっただけじゃん。
当然落札できず。

 

落胆はした。

 

 

 

このままじゃ金田一にはおろか、架空の俺や「あの人」にも顔向けができないーー

 

 


……と、幾つか商品を見ている中で「マルチエフェクター」「アンプシミュレーター」

なるものが出品されていたことを思い出す。

 

検索をかけてみる。
文字通り、一つのマシンの中に多様な効果が収録されている便利なシロモノのようだ。

いいな、コレ。
オークションの方でも、コンパクトのモノよりも幾分安く取引されている。
どうやら操作性や他のエフェクターとの組み合わせ、

またはビンテージでは無いといった観点からそこまで手が付いていないようだ。

 

これ一個で十分じゃない?
ライブとかするわけじゃないからな、俺。

特に「この音じゃなきゃダメだ!」ってこだわりもまだ無いし。

 

レビューの中でも評判が良かったアンプシミュレーターを入札。
程なくして、落札までに競りはしたが当初の予算からはかなり安く落札できた。

 

 

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Line6 アンプシミュレーター POD 2.0

空豆みたいな形に赤のメタリックが良く映える。ちょっと傷が多くてホコリっぽいけど。

 


早速こいつにギターとヘッドホンを繋いで音を聞く。


おぉ、クランチサウンドが心地いい


ファズに切り替えてボリューム下げればモコモコした音になる。
ディレイ斉藤和義『やさしくなりたい』の例のイントロが弾けるかなと思ったけど、

ディレイの速度を変更しなきゃ、どうやるんだろ。
コンプレッサー、一気に音が暴力的になった! まだまだあるぞ、面白い!

 

 

上手く文章にできなくて申し訳ない。

 

 


まぁ、当面の間は説明書とにらめっこになるな。あとギターの腕も追いつかないし。


フットペダルが付いていない点(フットコントローラが別にあるらしい)や、
演奏中に細かい切り替えができないのが難点だけど、
まぁ人前で演奏したりバンド組んだりすることなんてなかろうよ当分は。

だから問題ない。


アンプをかませればもっと音量に期待できるかも。
うーん、悪くない買い物だったなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


いっけね、アンプ買うの忘れてた。

 

LINE6 POD 2.0

LINE6 POD 2.0

 

 

Dune

Dune

 

 俺が知る限りエフェクターを多用しているバンド。どの位使用しているかは知らない。

 

僕はいつもギター少年(紙)

僕はいつもギター少年(紙)

 

 King Crimsonのギターボーカル。ギターで象やカモメの鳴き声を生み出す変態天才。

 

僕はいつもギター中年

このところよく某オークションサイトを見ている。

ソフトバンクホークスの本拠地のアレだ。孫さんのアレだ。

 

 

過去のブログ以降、
「まさかホントにオークションに出品されてないよな?」と疑心暗鬼になり、
スーツ 無地 黒 AB6」で検索するがどうもそれっぽいものは見つからない。

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「金目当てじゃなきゃ何のために……」とそれはそれで深まるミステリー。

俺の中の金田一の孫も首を捻る。

 


しかし最近検索しているものは別のモノ、

エフェクターである。

 

 

 

ギターを嗜む御仁にとっては馴染みの深いモノ。
馴染み深くない方に説明すると、

エレキギターとアンプ(スピーカー的なもの)の間に接続して、
ギターの音を歪ませたり揺らがせたり加工する優れ物だ。

そして、夢に向かって駆け出したばかりのギター少年が


「(好きなギタリストと同じ)音が出ねぇ


といって夢を諦める原因の一つである。

 

 

昨今のアーティストの多くは、各々がこだわりを持った多数のエフェクターを介し、

作り上げた音源を世に輩出している訳だ。

もちろんギターのみのクリーントーンや、アンプのゲインを上げた音だけで

演奏するのもそれはそれで味がある。
メリハリをつけるなど曲中狙ってそうすることも多い。


というか細かいミスなどの誤魔化しがきかないから練習にはもってこいだが、
アンプの出力にも限界はあるし、

CD音源やライブで徹頭徹尾そうしているアーティスト(ロキノン系)は

あまり思い浮かばない。

 


近年じゃ、ザ50回転ズくらいしか思い浮かばない。

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(キワモノバンドみたいな風貌だけど、そんなことないよ)

 

 


もちろん世のギター少年見習い達はそんな情報知るはずもない


各々が、好きなギタリストと同じモデルのギターを買うとして
付け合せに『BOSS OD-3(オーバードライブ、音を歪ませる)』を買う奴はいない。

 

色々お膳立てされた

『初心者用ギターセット(安ギター、安アンプ、その他小道具諸々)』

の中にも当然エフェクターは入ってない。

 


いや、よしんば知っていても手が出る訳が無い。

なんせこのエフェクターというシロモノ、値段が高いのだ。
先に挙げた『BOSS』のODシリーズ、最もポピュラーなこいつでさえ

中古で5000円以上は覚悟しなければならない。
もちろん廉価版的なメーカーから産出しているものもある。

貧乏人の味方『BEHRINGER』とかね。


それでも、揺らし系、空間系、フィルター系等様々な種類を揃えようもんなら

あっという間に赤貧だ。

 

そりゃそうだ、なんせ学生という生き物は基本的に金が無い
サークル飲み会彼女とのデート、とにかくあらゆる事に金が飛ぶ。
かくいう俺もバイト先のパスタ屋の賄いで食い繋いでいた位お金が無かったもの。

土日は昼夜賄いだったこともザラだ。

 

ただでさえ気に入ったギターに大枚はたいて、できればミニアンプも買って、
その上で(やる気が)続くかどうか分からない状態で

周辺機器に投資をできる訳が無い。
そんなことができるのは、よっぽどなボンボンか、

よっぽどな向こう見ずか、

よっぽどな野心家だけである。

 

 

 

 

 

 

 

書いてて気づいたけど、

 

俺サークルに入ってなかったし、

飲み会も誘われないし、

彼女もいなかったのに何で金が無かったんだ?

 

 

 

 

 

 

 

うーん、ミステリー。

 

俺の中の金田一が騒ぎ始めたのでこの辺で一旦切ります。続く。

 

 

BOSS OverDrive OD-3

BOSS OverDrive OD-3

 

 

 (貧乏人の味方『BEHRINGER』のシリーズも、輸入代理店『サウンドハウス』が

その業務を終了してしまったことから、どんどん品薄になっていくらしい)

 

 書いてる途中で知ったんだけど、ギターは改造しているらしい。

 

 

 

後、思ったけど、

身近に先輩ギター少年がいれば、

「これは買っておいた方がいい」とかアドバイスしてくれたんじゃないの?

 

 

雨が降ると古傷が痛むのさ パート3

前回のあらすじ

美容室に置いてある雑誌が世間のスタンダードを作っているっぽい。知ってた?

 

 

 

ボッチだったからダサい服を着ていたのか、

ダサい服を着ていたからボッチだったのかは多分永久に解決しないとして、

 

でも確かに、

「金が無いから……」と言い訳していた学生時代よりかは幾分貯金がある以上、
このままじゃ『オシャレに気を使わない=厭世家』のレッテルを張られかねない。
俺を担当している美容師も、洒落たアロハシャツに宮川大輔が掛けているような

黒縁メガネをしてるし。何なのそのメガネ?


というか宮川大輔そっくりだね、アンタ。

 

 

……雑誌を読んでいる内に、俺も麦わら仕立ての中折れハットとかを被って、

淡い色のリネンのシャツとかを着て、
アンクルが見えるパンツとかを履かなきゃいけないような気がしてきた。

 

 

そのファッションを鏡に映った男に投射する……

 

 

 

 


いや、ぜってぇ似合わねぇ~!

 

 

スタイルはともかくだ。
雑誌に載ってる男の共通点はみんなイケメンだ。ボウズでも、

髭づらでも、くるくるパーマでも。
なんなら俺の隣の宮川大輔だってまあカッコいい部類に入るだろう。

そういう雰囲気出てるし。


そして、そんなイケメン達が洒落た服を着てアンニュイな

表情でポーズをキメる、

これはイケメンにしか許されない所業である

俺なんかがブルックリンの街頭で同じことやったら、ちょいとした暴動が起きるわ。
もっと言うと、俺の身長と体重は雑誌の男たちと比べてそんなに遜色は無い。
俺の兄貴から髪の毛と共にその遺伝子を頂戴したから不憫な兄だ)。
だからその辺はクリアーしているとして、

 

でもやっぱりだよ、男は。まぁ男に限らず女もか?

 

お兄ちゃん、その顔ちょーだい!

 

 

 

 

 

 

 

 


顔かぁ

 

 

 

 

整形でもするか?

 

 

 


そんなことを考えている内に矯正は終了したようだ。
観念して見たくない顔が写っている鏡を見ると、

 

 

おぉ、

 

真っ直ぐだけど斜めにふんわり!

 

宮川大輔が何時の間にかカットとブローして髪に少し癖をつけていて、

何だか妻夫木聡の髪形っぽくなった。こりゃいいな。
さっきまでと打って変わって何だか雰囲気的にも明るくなった俺。

 

俺「いいですねぇコレ」
宮川「ありがとうございますー。あ、後ろはこんな感じになってますー」
手鏡を出して後ろを映す。

 


ここで俺の頭および顔の形について。
分かりやすく言うと、つくしの穂先のような形状をしているのだ
で、加えて後頭部が絶壁のようになっている。
本来の後頭部の形というのは、丸みを帯びてやや膨らんだモノが理想的であるが、
悲しいことに俺のはそのふくらみが無くて

ストーンと首の後ろに続いている感じなのだ。

 

 

で、縮毛を矯正すると、


頭の後ろをスパーンと切り落とされたかのような仕上がりになっていたのだ

それはいいとして、よりにもよって宮川は前髪とトップ以外を結構チョキチョキ

切ってしまっていて、ワックスとかで後頭部のボリュームを作ることが出来ない状態

となっていたのだ。

 

 

 

俺「……あぁ、もう、バッチリです……」
宮川「ありがとうございますー」

 

 

 


店を後にし、すぐ近くに帽子の専門店があるのを思い出し、

すぐさま駆け込み目についた麦わら仕立ての中折れハットを被って、


「おばちゃん、これ気に入った! 値段いくらですか!?」
「それ? 4000円だよぉ」

 

 


帽子を小粋な角度に被って帰路へ。

雑誌のモデルの格好を思い出す。
淡い色のリネンのシャツは家にあったなぁ。
後はアンクルが見えるパンツを揃えればいいんだな?

 

 

 

 

 

 

アポジカ買うか。

 

 

 

 やっぱ顔かぁ

 

雨が降ると古傷が痛むのさ パート2

前回のあらすじ

美容室に縮毛矯正を掛けに行った俺だ!

 

本当は前回この事について書く予定だったんだけれど、
過去の色んな事がフラッシュバックしてそれどころじゃなかった訳です。
実際記事を投稿した後も布団の上でジタバタしていたし。


「君ちゃんと髪の毛洗ってるの?」って隣の席の女の子に言わr

 

 

 

 

 

 

 

 


元々の仕事の都合で髪の毛を短髪にしていた俺だけれど、
離職してから暫く経ち、気が付いたら前髪とかは目に掛りそうな位まで伸びていた。
しかも梅雨時期、これは早いとこ手を打っておこうと思って美容室へ。

 

昔はコンプレックスの反動からか、

「とにかく真っ直ぐにしてくれ」

と店員さんに頼んだ結果、
今でいう阿佐ヶ谷姉妹みたいな髪形になっていた。
もっと言うと、高校時代は校則で長髪禁止だったので阿佐ヶ谷ヘアーをさらにカット、

 

結果から言うと、

漫画『デトロイド・メタル・シティ』の主人公・根岸宗一の髪形、

 

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公然猥褻カットである。

 

 

 

それでも当時は、

「お、カエラカットじゃん。曲全然知らないけど」

と思いながら並木街を肩で風切る気概があった。天パより100倍マシだし。


とはいえさすがにもう歳も歳だ、カエラカットもどうかと思う。人の目も気になるし

(というか木村カエラに失礼)


そして少し髪の毛もさっぱりとし、出来れば遊びなんかをもたせたかった。

 

 

 

俺「縮毛矯正なんですけれど、なるべく自然な感じの仕上がりって出来ますかね?」
店員「自然ですねー、出来ます出来ますー」

 

店員さんが言うには、弱めの液を2回塗布して2回洗い流す、

後はブローとヘアアイロンで矯正するとの事。
へぇ、あのやけに染みる液も使わないし、ラップみたいなのも巻かないし、
頭の上にパルックの丸い蛍光灯みたいなやつをグルグルいわせる必要もないのか。

こりゃ楽でいいね。「それでお願いします」

 

 

それにしても……
美容室におかれている雑誌というのは、俺にとってはやけにハイソな物だ。
BRUTUS、PEN、MonoMax、どれもあんまり読んだことは無い。手に取ってみる。


ブルックリンの街並み、こだわりのコーヒー、バスキアのポスター、
うーん、まるで異国情緒に触れる感じ、斜め読みする分には面白い。

 

そして雑誌の中のモデルの男達は、洗練されたファッションに身を包んでいる。

着ている服にはブランドや値段が記載されていて、

 

Nudie Jeans、タイトロングジョンとか、
RAGEBLUE、ベロアドロップクルーとか、
URBAN RESEARCH、ペーパーマウンテンハットとか、

 

 

 

みんなどこで買ったんだろう。


俺とは違う世界線を生きているのか?


モテるんだろうなあ。


いいなあ。

 

 

 

 

 

……その内に俺は、俺の青春時代のコーディネイトを思い出す。

 

 

裏地チェックパーカー

 


フラクトゥール(旧ドイツ文字)のプリントTシャツ

 


ダボダボカーゴパンツ

 


基本全身真っ黒

 

 

 

 

 

 

 

 

何でそんな格好していたんだろう?

 

 

 

そうか、これ全部ファッションセンター〇まむらのコーデだ。

 

 

 

だってお母さんが「色んなモノ揃ってるし、コスパがいいし」って言ってたじゃん。

 

 

 

俺はその言葉を鵜呑みにしていたのだ。

 

 

 

そして雑誌のモデル達は、そんな昔の俺がしていたコーディネイトはしていない。

 

 

 

誰一人として。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからか、

 

 

 

 

だからモテなかったのか。

 

 

 

何だ? 美容室に足繁く通う世のオシャレ男子

皆いつもこのような雑誌を日常的に読んでいたのだろうか?


床屋か? 縮毛矯正以外は床屋で散髪を済ませていたから俺は気付かなかったのか?


いつも床屋でゴルゴ13しか読んでなかったから、

こんなくそダサいファッションしかしてこなかったのか俺は?


大学後半になってやっとユ〇クロを利用するようになったのに、

それでもダサさが抜けきれなかった理由はそれか?


俺が鬱屈とした日々を送っていた一方で、

明るい人生を享受していた彼らはそうして自分を磨いていたのか?


そしてその頃には最早1000円カットにしか行ってなかったから何時まで経っても

気付かなかったのか俺は?

 

 

 


これが世間のスタンダードだったのか?

 

 

 


何で誰も教えてくれなかったの?

 

 

 

 

続く

 

 

 

BRUTUS(ブルータス) 2017年 10/1号[場所 人 服 似合うの決め手。]

BRUTUS(ブルータス) 2017年 10/1号[場所 人 服 似合うの決め手。]

 

 

別の意味で古傷が痛むのさ

 

 

雨が降ると古傷が痛むのさ

なんて渋いセリフ言えるようなハードボイルドに憧れていました。
でもやっぱり気ままに生きていける方がいいな。俺です。ご機嫌いかが?

俺は不機嫌、この時期は。雨が嫌いなのだ。
結論から言うと髪の毛がモサモサになるからだ。

 

 

俺の髪の毛は元来からの天然パーマ。


毎朝シャワーを浴びてはヘアオイルを塗ったり、

ドライヤーで半乾きにして、ヘアアイロンで真っ直ぐに伸ばして、

それでもモサってなる。

 

汗をかけば根元からクルクル丸まってしまう。

だから迂闊に辛い物とか食べられないし、
よくショッピングモールの広場にあるミストが噴霧されるような場所にも

フラフラと行けないのだ。


ましてや上の三種の神器の存在を知らなかった学生時代はもっとモサついていた。

いや、もうモジャっていたもん。

 

 

この悩みを口にすれば、

「天パ? いいじゃん! タダでパーマだろ?」

と平気な顔して不謹慎な事を言う輩もいるが、

 

 

お前、お前じゃあ俺と毛根変えてくれよ!!

 

 

小学生時代から先生には「寝癖くらい直して学校に来なさい」と叱られたり、
中学時代には周りがワックスを付けるなど色気づき始めるも、その輪に加われず

高校時代になってさえもあだ名がち〇げで一貫するんだぞ!?

分かるか? この気持ち! なぁ!?

 

 

天パさえなかったら、僕の人生はもっと清々しいものだったに違いないのに……

 


若い俺は悩んでいた、いつもいつも悩んでいた。
きっと天パじゃなかったら、

体育の時間終わりに水道で頭から水をかぶることができたし

もっとオシャレに挑戦できたし
わきの下で擦った下敷きを頭の上にかざして静電気の実験をすることができたし


要するにもっと明るい日々が待っていたに違いなかったのに……

 

そんな気持ちが、そんな気持ちが前に分かるかぁあああああああああああああ!!!!

 

 

 

 

「俺にはパーマをかけられる程の髪の毛は無いよ」

 

 

 

 

誰だお前!? あ、お兄ちゃん……

 

 

 

 

 

俺の兄貴を紹介しよう。


年が結構離れていて、出来た男である。頭もいい顔もいい

俺が欲しかった遺伝子を先に根こそぎ持って行った男だ。

 
しかし、彼は若ハゲだった。
俺が記憶してる限り、彼は高校生の時には既に育毛剤アポジカΣ

保有していたはずだ。小学生時代の記憶とはいえ印象深いモノだ。


きっと兄貴も、俺の髪の毛が必要以上にモサモサしていることに

人知れず悔しさを覚えていたことだろう。
天パに対して憂鬱になっている時、俺は兄貴の存在のおかげで

強かに生きていくことができたのだ。ありがとう、お兄ちゃん。

 

 

 

まぁ、

その悩みも高校3年の時に美容室で縮毛矯正をかけたら一気に解消したんだけどね

 

 

 


……どこから話が脱線したのか確かめてみると、

そもそも最初から話が進んでいないことに気付く。


が、ここから本題を語るにはちょっと文面が押してしまったので

今回はここまで。続く。

 

モジャ公 (藤子・F・不二雄大全集)

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【第3類医薬品】NFカロヤンアポジカΣ 200mL

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余談


でも高校生にもなればある程度人格は形成されていっているもので、
急に天パが解消したところで明るい性格にはなれないし、
あとスタイリングとかファッションも分かってなかったから結局モテもしなかったし、

 

そんなもんだ人生。

 


あと、案の定書くことが尽きたので更新ペースを大幅に減らしてます。

まぁ誰も読んでないだろ、気楽にやります。

 

 

犯人に告ぐ

絶賛就活中である

 

と言いたいところだが、ハローワークの担当の方からは

「ちゃんとした心療内科に行って、あなたの今の病状が就職活動ができるものか

どうか確かめてきて、話はそれから」と言われる。

 

元いた精神科には、

「離職するための根拠として診断してくれ」という部内カウンセラーからの根回しが

あったため、


「もうやめたんだし、気分も落ち着いたんだから来なくていいでしょ?」

 

一方的に治療を切られている。


確かに、明確な病状は分からないままだしなぁ。

 

そして失業手当であるが、

なんと前職の人事課の手違いから退職票がいまだに発行されておらず
ただでさえ依願退職だから給付開始が3か月近く遅れるのに、さらに遅れるという。

それでも天下の公務員かよ。

 

何かこっそりお金を稼ぐ方法はないものだろうか。

一日2食はなぁ。

まあダイエットと割り切るけど。


もっとも関西地方でひどい地震があった後だ、俺も当面の間我慢して生活します。

がんばろう関西。がんばろう俺。

 

お互い一日でも早く元の良い暮らしが戻りますように。

 

 

そんな訳で慣れないリクルートスーツを着つつ、

人事課や共済組合への事務手続きをやる日々だったが、
そんな折に盗難にあう。スーツの上を盗まれたのだ。

 

いや、俺にも非はあった。
その日は暑くて上着なんて着ていられないものの、

後生大事に腕に抱えていれば良いのに、乗り込んだ電車の網棚の上に置いていたのだ。
そしてそのまま置き去りにして電車を降りたのだ。

 

10分後に気付く。6月18日午前11時04分、JR秋葉原駅

 

駅の窓口に時刻、場所、電車の進行方向と網棚の向き、大体何号車だったか、
遺失物および特徴を伝えてブルーな気持ちでその場を後にする。

が、その夜、翌日、その翌日になっても、

お問い合わせセンターには上着の情報はないという。

 

盗られたのだろう、きっと。

 

 

 

 

犯人に告ぐ

 

 

いま日本が天災に見舞われている中、お前は何をやっているのか。
自分が良ければ他人は良いのか? 恥ずかしいと思わないのか?


その上着は、世を憂い、人を愛し、そして傷つき倒れた者が

明日に向かって再び起き上がろうとして着ていた物だ。


お前にはそれに触れる価値はない。


しかもスーツ〇ンパニーで買ったものだからそんなに価値はない。

だからオークションやフリマアプリで売るな。
大体スーツってパンツと組み合わせて初めて体を成すものだから、

上着だけじゃ殆ど価値が無いぞ。ブレザーとは違うからな。知らなかっただろ?


そしてそれを知らずに買った奴にまで恥をかかせるな。まあ買う奴が悪いけど。
しかも色が真っ黒だから「葬儀用?」ってバカにされちゃうぞ。可哀想に。

俺もなんでそんな色買ったのかはわからないけど。


正直に名乗り出てくれ。そうしたら許そう。

飯もいっぱいおごってやる。食うや食わずだから貧困な精神になるのだろう。
何が食いたい? とんかつとかいいんじゃないか? 一緒に食おうじゃないか。


あ、待て、俺も金が無い。職も無い。貯金も今切り崩しているし。
あ、でも金の宛てはある。失業手当だ。3か月待て。そしたらとんかつパーティーだ。
で、その間就活も進めていきたいから上着返して。これで年中とんかつ三昧だ。


じゃ、3か月後また会おうな。

 

 

 

 

 

え?

 


おごるおごる。

 

 

忘れないって、約束したしw

 

 

 

 

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別に記事と関係ないな