kitsunetohitoの日記

日々の不条理を漫然と見つめる、そんな男の苦楽

雨が降ると古傷が痛むのさ パート2

前回のあらすじ

美容室に縮毛矯正を掛けに行った俺だ!

 

本当は前回この事について書く予定だったんだけれど、
過去の色んな事がフラッシュバックしてそれどころじゃなかった訳です。
実際記事を投稿した後も布団の上でジタバタしていたし。


「君ちゃんと髪の毛洗ってるの?」って隣の席の女の子に言わr

 

 

 

 

 

 

 

 


元々の仕事の都合で髪の毛を短髪にしていた俺だけれど、
離職してから暫く経ち、気が付いたら前髪とかは目に掛りそうな位まで伸びていた。
しかも梅雨時期、これは早いとこ手を打っておこうと思って美容室へ。

 

昔はコンプレックスの反動からか、

「とにかく真っ直ぐにしてくれ」

と店員さんに頼んだ結果、
今でいう阿佐ヶ谷姉妹みたいな髪形になっていた。
もっと言うと、高校時代は校則で長髪禁止だったので阿佐ヶ谷ヘアーをさらにカット、

 

結果から言うと、

漫画『デトロイド・メタル・シティ』の主人公・根岸宗一の髪形、

 

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公然猥褻カットである。

 

 

 

それでも当時は、

「お、カエラカットじゃん。曲全然知らないけど」

と思いながら並木街を肩で風切る気概があった。天パより100倍マシだし。


とはいえさすがにもう歳も歳だ、カエラカットもどうかと思う。人の目も気になるし

(というか木村カエラに失礼)


そして少し髪の毛もさっぱりとし、出来れば遊びなんかをもたせたかった。

 

 

 

俺「縮毛矯正なんですけれど、なるべく自然な感じの仕上がりって出来ますかね?」
店員「自然ですねー、出来ます出来ますー」

 

店員さんが言うには、弱めの液を2回塗布して2回洗い流す、

後はブローとヘアアイロンで矯正するとの事。
へぇ、あのやけに染みる液も使わないし、ラップみたいなのも巻かないし、
頭の上にパルックの丸い蛍光灯みたいなやつをグルグルいわせる必要もないのか。

こりゃ楽でいいね。「それでお願いします」

 

 

それにしても……
美容室におかれている雑誌というのは、俺にとってはやけにハイソな物だ。
BRUTUS、PEN、MonoMax、どれもあんまり読んだことは無い。手に取ってみる。


ブルックリンの街並み、こだわりのコーヒー、バスキアのポスター、
うーん、まるで異国情緒に触れる感じ、斜め読みする分には面白い。

 

そして雑誌の中のモデルの男達は、洗練されたファッションに身を包んでいる。

着ている服にはブランドや値段が記載されていて、

 

Nudie Jeans、タイトロングジョンとか、
RAGEBLUE、ベロアドロップクルーとか、
URBAN RESEARCH、ペーパーマウンテンハットとか、

 

 

 

みんなどこで買ったんだろう。


俺とは違う世界線を生きているのか?


モテるんだろうなあ。


いいなあ。

 

 

 

 

 

……その内に俺は、俺の青春時代のコーディネイトを思い出す。

 

 

裏地チェックパーカー

 


フラクトゥール(旧ドイツ文字)のプリントTシャツ

 


ダボダボカーゴパンツ

 


基本全身真っ黒

 

 

 

 

 

 

 

 

何でそんな格好していたんだろう?

 

 

 

そうか、これ全部ファッションセンター〇まむらのコーデだ。

 

 

 

だってお母さんが「色んなモノ揃ってるし、コスパがいいし」って言ってたじゃん。

 

 

 

俺はその言葉を鵜呑みにしていたのだ。

 

 

 

そして雑誌のモデル達は、そんな昔の俺がしていたコーディネイトはしていない。

 

 

 

誰一人として。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからか、

 

 

 

 

だからモテなかったのか。

 

 

 

何だ? 美容室に足繁く通う世のオシャレ男子

皆いつもこのような雑誌を日常的に読んでいたのだろうか?


床屋か? 縮毛矯正以外は床屋で散髪を済ませていたから俺は気付かなかったのか?


いつも床屋でゴルゴ13しか読んでなかったから、

こんなくそダサいファッションしかしてこなかったのか俺は?


大学後半になってやっとユ〇クロを利用するようになったのに、

それでもダサさが抜けきれなかった理由はそれか?


俺が鬱屈とした日々を送っていた一方で、

明るい人生を享受していた彼らはそうして自分を磨いていたのか?


そしてその頃には最早1000円カットにしか行ってなかったから何時まで経っても

気付かなかったのか俺は?

 

 

 


これが世間のスタンダードだったのか?

 

 

 


何で誰も教えてくれなかったの?

 

 

 

 

続く

 

 

 

BRUTUS(ブルータス) 2017年 10/1号[場所 人 服 似合うの決め手。]

BRUTUS(ブルータス) 2017年 10/1号[場所 人 服 似合うの決め手。]

 

 

別の意味で古傷が痛むのさ